尼港事件100周年特別企画展「尼港事件と北樺太」

令和博物館館長
加藤健祐

今から丁度100年前、シベリア出兵の中で軍民問わず多くの日本人が虐殺される結果となった尼港事件、そして同事件により実施された日本の北樺太占領。当時を知る人がほとんどいなくなる中で、節目となる本年にわずかとはいえ残された写真や記録を結集できたことは大変意義のある企画展と確信します。

当時、多くの日本人が犠牲となった尼港事件は国辱として捉えられ、日本国民に大きな衝撃を与えました。当時とは比較にならないほど日本人が海外へ赴くようになった今日に残す教訓もまた大きなものです。

また、日本の北樺太占領は第二次世界大戦後の領土問題においてフルシチョフソ連首相が書簡で言及するように今日の北方領土問題においても大きな意味があるものと思います。

大正9年から大正14年のわずか5年ではありましたが、歴史上日本が樺太島へ最も影響力を行使した時期であり、本企画展の資料群は日本北方活動の資料収集に力を入れていく令和博物館にとってもまことに重要なものです。

企画展を通じて当時の日本人や北樺太の諸民族の生きる姿を感じていただければ幸いです。

尼港の資料(計12点)

北樺太の資料(計41点)